さてと、よんどころない事情で本アカが忙しくなっていたのだが、少し時間が出来たので、前回の続きを書きたい。

前回は、一般的に原則を述べた。
今回は、具体例を挙げて、どのような投稿なら大丈夫で、どのような投稿なら違反となるのか述べたい。

1,肖像権およびパブリシティ権

まず、肖像権・パブリシティ権については、一般公開された写真を使用し、SNSのアカウントを商用利用しなければ問題とならない。
これは、前回の記事(http://shokusai.blog.jp/archives/1078876052.html)でも述べた通り。

ただ、次のような場合は、商用利用と看做される。

・肖像を使用したグッズを作成し、不特定多数に配布

・肖像を使用したネップリを作成し、不特定多数に配布

・いわゆる企業案件の投稿をしたアカウントで、ヘッダーなどに肖像を利用。

・youtubeなどで広告で収益を得ているアカウントで、専ら顧客誘引のために肖像を利用する。

私の場合には、このブログはgoogleアドセンスと契約し、広告を掲載しているので、商用利用にあたる。また、Twitter上にある食彩@ガオラーのアカウントについては、このブログと一体運用しているものなので、商用利用と看做される可能性が高い。


2,著作権


・リトグリ公式サイトからmanakaの画像をキャプチャーしてツイートする場合
manakaかわいい

manakaのほっぺをつんつんしたい!
manakaのほっぺをつんつんしたい!
manakaのほっぺをつんつんしたい!


manaka

     ↑
これは著作権侵害となる。いわゆる無断転載ってやつだね。

著作権法第32条の引用の要件を満たすようにツイートすれば良い。
次のようにツイートすれば、引用の要件を満たせる。
    ↓
あぁ、manakaかわいい

manakaのほっぺをつんつんしたい!
manakaのほっぺをつんつんしたい!
manakaのほっぺをつんつんしたい!

(リトグリ公式サイトより)

manaka

一番重要なのは、引用元の明記。
これは著作権法第48条にあるので、絶対条件。
この場合、引用元はURLでもかまわない。
テレビや雑誌などの場合には、番組名や雑誌名。


引用元の明記以外については、判例によると「総合考慮」とされている。
とはいえ、従前の判例(パロディー事件など)による要件を満たせば、万全と言えるでしょう。

そのためには本文も重要。(本文無しでは「総合考慮」でも、引用とは看做されない。)

「この本文(画像についての感想など)を言いたいがために画像を掲載した」という必然性が求められる。

「画像は流れ防止」とか「タグします」とかで、画像を利用するのは著作権侵害となる。

また、画像に著作者名が別途書かれている場合には、Twitterの仕様によりトリミングされてしまう場合がある。トリミングされても大丈夫なように、本文中に著作者名を明記する必要がある。(氏名表示権の判例 弁護士ドットコムhttps://www.bengo4.com/c_23/n_11514/



・DVDやBDから画像や動画をキャプチャーをしてツイートする場合

リトグリ アリーナツアー2018 juice!!!!! BD
screenshot000

              ↑
これは、著作権侵害となる。本文がない。単なる転載だ。

次のように本文があり、画像の必然性があれば、引用となる。もちろん出典の明記も必要。
manakaのこめかみから、もみあげのあたりを注目して欲しい。

汗が浮かんでる。
manakaのかわいいところ。

たくさん水を飲むってことは、汗かきで新陳代謝が良いってことなんだよね。
さすがは、僕の妻(予定)

リトグリ アリーナツアー2018 juice!!!!! BD
screenshot000


ちなみに、引用元が有料か無料かは関係ない。そんな判例もない。


・インスタの場合


リトグリの公式のインスタを例に挙げる。
 ↓
スクリーンショット (193)
画面上は、このように表示される。
引用で投稿をしたつもりになっても、この画面には、本文も表示されないし、引用元も明記されない。
このメインの画面を、「サムネイルだ!」という主張が通るかどうか。
インスタは画像がメインのSNSなんだよね。なので、文が主で画像が従だという主張は認められない可能性が高い。
少なくとも、氏名表示権をめぐるツイートの判例では同一の画面にある必要があるとされる。
(氏名表示権の判例 弁護士ドットコムhttps://www.bengo4.com/c_23/n_11514/

なので、インスタでは画像を引用することができないと考えた方が良い。
判例はまだないが、まず無理でしょう。


・歌詞を掲載する場合

例えば、このブログ(ライブドアブログ)は、JASRACと利用許諾契約をしているので、歌詞を全文掲載してもOKだ。JASRAC利用許諾契約についてhttps://www.jasrac.or.jp/news/20/ugc.html
許諾があるので、引用も何もない。

ただ、音源(演奏しているもの)を利用する場合には、演奏者に著作隣接権があり、その権利はJASRACでは管理していない。別途、許諾が必要となる。
これについては次の項目で述べる。


さて、Twitterやインスタの場合には、JASRACと利用許諾契約をしていない。
では著作権侵害となる場合と大丈夫な場合を例示したい。

歌詞はもちろん、リトグリの「君といれば」だ。

今日の終わり 大きな空に
淡く 揺れる 見慣れた景色
   ↑
このように歌詞の一部あるいは全部をツイートやインスタで投稿した場合、著作権侵害となる。

では大丈夫なように投稿するにはどうしたら良いか?
次のようにすれば良い。 
   ↓
#好きな歌詞
今日の終わり 大きな空に
淡く 揺れる 見慣れた景色 

リトグリ 君といれば
もちろん、好きな理由とか、解説とか書いてあればさらに十分なのだが、
「好きな歌詞」として歌詞を抜粋した行為に創作性があると認められるでしょう(判例はない)

作詞者を書いた方がより良いが、作詞者に著作財産権があるかどうかはわからない。
著作権買上の場合には、会社が持っていることが多い。
そんな大人の事情を、一般人が知る由もないので、この場合にはリトグリ「君といれば」と出典が明記されていれば大丈夫でしょう。


・歌ってみた動画を投稿する場合

以前に、リトグリの「私らしく生きてみたい」のカラオケ音源を使用して、「歌ってみた動画」を作成し、youtubeに掲載して裁判となった事例がある。
これは、作詞作曲の著作権についてはyoutubeが利用許諾契約を結んでいたので、問題はなかった。
だが、著作隣接権についてはその音源の作成者(第一興商)の許諾は得ていなかった。
で、著作隣接権の侵害となった。

この判例については、舞鶴法律事務所のページが詳しい。https://maizuru-lawoffice.com/copyright-law-and-karaoke/





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