この記事は、元々、「リトグリ武道館公演レポート というよりも、反省会。」だったものだ。記事が長すぎたために、分割した。
1月8日に行われたリトグリ武道館公演当日の話。
私は、本来なら朝から物販の購入のために列に並びたかったのだが、仕事の都合で断念した。仕事を片付けて、15時半に九段下駅に到着した。駅のトイレに寄って、すぐに武道館に向かった。
武道館の周辺で何人かの人と待ち合わせをしていた。物販の状況、トイレの混雑状況などの情報をもらうためだ。
実際に、お会いできたのは、3人。武道館周辺の混雑が人の移動を難しくしていたので、時間までに待ち合わせ場所までたどり着けないくて、私と会えない人が多かった。
どうしてか? 武道館から九段下の駅まで、開演待ちの人で、埋め尽くしてしまったからだ。
ここで、問題が発生した。
地下鉄九段下駅の出口のエスカレーター前に、人が滞留してしまったのだ。
そりゃ、武道館からずっと、九段下の駅まで、開場待ちの列が出来ているんだから、前に進みようがない。
さいわいなことに、すぐに開場となって、列が動き出したので、事故は起こらなかった。
もし、あと少し遅れていたり、観客のマナーが悪く、前の人を押したりしていたら、将棋倒し事故の可能性があった。
警備は私の本業ではない。あくまでも宣伝屋だ。
だが、警備担当者とは、さんざん議論を重ねてきたので、それなりに理解はあるつもりだ。
イベントなどの際に、宣伝屋としては、人が集まっていることを誇示したい。
また、ファンサービスをしてほしいし、ファンサービスしてるところをマスメディアで報じてもらったり、参加者にSNSで拡散してもらったりして、イメージアップを図りたい。
一方、警備当局としては、できるだけ危険は避けたい。
両者の方向性は、異なる。
イベント当日の現場では、危険なことが無いように、どの程度でファンサービスを切り上げるか、観客をどう誘導するかなどの判断をしてきた。数千人~数万人のイベントになると、客層によって、ぜんぜん変わってくるので、現場での判断が重要だ。事前には、最悪のケースを想定して準備して、当日には状況を見ながら行けるところまでやる。逆になってしまうのが最悪のパターン。
今回は警備当局の立場になって、武道館公演の警備状況を見た。
警備としては、失格。
もともと、九段下駅の武道館に近い出口は、将棋倒し事故の危険がある場所だ。
1万人を一時に移動させるためには、あまりにも動線が貧弱。
次の画像はgooglemapから加工した。武道館に最寄りの地下鉄出口だ。(この位置のgooglemapへ)
↓
画像はクリックすると大きくできる。
画像左にある青い矢印が、武道館方面。青い矢印の軸の幅が歩行者が通行可能部分。
水色の上下の矢印は、歩行者通行可能部分を、紫色の上下の矢印に挟まれた部分は、街路樹。けっこうな幅でさつきが植えてあるので、人は歩行できない。
画面右にある赤い矢印が地下鉄の出口。
ピンク色の部分が、将棋倒し事故の危険個所だ。
この部分をgooglemapを使って、車道から見てみよう。
↓
赤い矢印は私が入れた。ここが、最も危険なボトルネック。
赤い矢印が指し示すのは、竹垣だ。
さつきの植え込みに人が立ち入らないようにするためだろう。
どうやら、東京都は、人命よりも、植え込みを尊重するらしい。
この歩道は、地図上では幅があるんだが、その多くが街路樹で占められており、1万人が一時に集中する場所にしては、あまりにも貧弱な動線だ。
武道館から、地下鉄の出入り口には、この1本しか動線がない。(他は、歩道橋を渡る必要があったり、清水門経由になったり、遠回りになる。)
将棋倒しの事故で死者が出たとしても、想定外では済まされないんだよ。
武道館で1万人規模の公演なんて、毎週のように行われるんだから。(中にはガラガラもあるが…)
道路は都道だし、地下鉄も都営なのに、こんな将棋倒しの事故の危険がある場所を放置してあるのは、行政の怠慢だ。民間の土地だったりすると、権利関係が難しくて、すぐに改善できないこともある。
だが、どっちも東京都なのに、なんでできないの?
小池都知事さん、こんな将棋倒しの危険性があったなんて、ご存知?ご存知?ご存知?
せめて、街路樹の面積を大幅に減らして、歩行者の通行可能部分を歩道の幅いっぱいに広げることができれば、まだ、将棋倒しの危険は避けられる。このぐらいなら、予算なくても、できるだろ。
それでもできないんだよね。
日本の行政は墓石行政。
将棋倒しで死者が出るまでは、何もしないだろう。人身御供が必要なんだよ。
ましてや、街路樹なんて造園業者の利権だから、減らすことは簡単ではない。
一方、コンサートの主催者側でも、事故を防ぐためにできることはあった。
それは、開演待ちの列を迂回させることだ。
次の地図を見て欲しい。(この地図のgooglemapへ)
↓
当初は、運営側は、赤い矢印の西ゲートから、アリーナと1Fスタンドの観客を、紫色の矢印の南西ゲートから、2Fスタンドの観客を入場させるつもりでいた。7千人とか9千人で、雨が降っていなければ、それでもいい。
前日と前々日は、雨が降っていなかったこともあり、それで大丈夫だった。
ところが、リトグリのコンサート当日は雨だった。しかも1万3千人。
1万3千人なので、道幅いっぱいに人が広がっても、西ゲートから九段下の駅まで、埋め尽くしてしまった。
九段下駅の出口付近でも人があふれ、上りエスカレーターの出口で、危うく将棋倒しの事故が起こるところだった。
で、ここは、推測なんだが、この直前に、警察に通報があって、警察から主催者側に指導があったのだろう。
すでに開場していたんだが、急遽、待機列を迂回させることになった。とはいえ、武道館敷地と歩道との間にある柵を占めて、公園側に迂回してくださいって言うだけだった。
続いて、アリーナと1Fの観客入り口にしていた西ゲートを閉鎖して、その観客は南ゲートから入れることになった。
今回の武道館は、前日の7千人、前々日の9千人よりも、はるかに多い1万3千人なんだから、開場待ちの待機列は、地図の茶色のラインのように、最初から迂回させるべきだった。しかも、チケットを手に入れることが出来なかったファンも多いので、グッズ参戦も多い。その点でも、前日や前々日とは、大きく様相が変わった。
あらためて地図を見て欲しい。迂回ラインを茶色で示した。この茶色のラインは、田安門方面の方に車道まで道幅いっぱいに広がるわけにはいかない。北の丸第三駐車場への車両の通り道になるからだ。そのため、歩道上に並ぶ必要がある。吉田茂像のあたりで折り返して、武道館までは公園内の遊歩道なので、道幅いっぱいで大丈夫だ。それでも2列ぐらいかな。あらかじめ、これだけ入場待機列を迂回させておけば、九段下駅の出口で将棋倒しの事故の危険性は低かっただろう。途中からでは、ハンドマイクで誘導しても、混乱するだけだ。最初から迂回させて入場待機させる必要がある。
今回は、主催者の見通しが甘かった。
ついでに言っておくと、九段下から武道館まで狭い歩道にもかかわらず、中華まんの路上販売を許したのは、所轄警察署の失態。許可していたら、署内の失態だし、無許可営業を見逃していたら、九段下交番の失態。九段下交番から、目と鼻の先だ。っていうか、交番の前から見えるだろ。
帰路 九段下駅入り口付近にボトルネックで大渋滞
帰りの道も、1万3千人が移動するのは大変だね。九段下駅の入り口がボトルネックになって、全然進まない。また将棋倒しの事故の危険がある。それにしても、将棋倒しの危険性があるところに、わざわざ街路樹でボトルネックを作ったのはなぜ?
東京都は、人命よりも街路樹を尊重するのか?
改善策を二つ上げよう。
A、地下鉄入り口を新設
B、歩道橋を新設
両方とも同じ画像で解説する。この画像のgooglemapへ
↓
A案 オレンジの丸しるしに地下鉄入り口を新設する。
歩道側に向けて1か所、田安門に向けて2か所の入り口を作ればなんとかなるだろう。
B案 紫色の太線に歩道橋を新設する。
現在の歩道橋は、青く囲んだ。
この歩道橋は、人間の心理を無視している。この歩道橋の位置では、武道館から靖国神社に用がある人しか利用しない。
現在の歩道橋では、武道館から九段下の駅に行こうとした場合、歩道橋を渡った後、さらに信号機のある横断歩道を渡る必要がある。歩道橋渡った後、なんで、信号待ちをさせるかな? そんな回り道をする気になる人は少ない。
歩道橋を渡って降りたところで、信号を待たせるなんて、設計ミス。歩道橋を渡ったら、この信号のある横断歩道も迂回できるようにすればいい。そうすれば、そのまま九段下の駅に行ける。
この日、私は歩道橋を渡って靖国神社側に渡り、信号待ちをして、横断歩道を渡って、北の丸スクエアの近くの入り口から地下鉄に入った。遠回りだったが、まだ武道館からの人波は渋滞していた。でも、地下はガラガラ。やはりボトルネックは地下鉄入り口とそれに至る歩道。
1月8日に行われたリトグリ武道館公演当日の話。
私は、本来なら朝から物販の購入のために列に並びたかったのだが、仕事の都合で断念した。仕事を片付けて、15時半に九段下駅に到着した。駅のトイレに寄って、すぐに武道館に向かった。
武道館の周辺で何人かの人と待ち合わせをしていた。物販の状況、トイレの混雑状況などの情報をもらうためだ。
実際に、お会いできたのは、3人。武道館周辺の混雑が人の移動を難しくしていたので、時間までに待ち合わせ場所までたどり着けないくて、私と会えない人が多かった。
どうしてか? 武道館から九段下の駅まで、開演待ちの人で、埋め尽くしてしまったからだ。
ここで、問題が発生した。
地下鉄九段下駅の出口のエスカレーター前に、人が滞留してしまったのだ。
そりゃ、武道館からずっと、九段下の駅まで、開場待ちの列が出来ているんだから、前に進みようがない。
さいわいなことに、すぐに開場となって、列が動き出したので、事故は起こらなかった。
もし、あと少し遅れていたり、観客のマナーが悪く、前の人を押したりしていたら、将棋倒し事故の可能性があった。
警備は私の本業ではない。あくまでも宣伝屋だ。
だが、警備担当者とは、さんざん議論を重ねてきたので、それなりに理解はあるつもりだ。
イベントなどの際に、宣伝屋としては、人が集まっていることを誇示したい。
また、ファンサービスをしてほしいし、ファンサービスしてるところをマスメディアで報じてもらったり、参加者にSNSで拡散してもらったりして、イメージアップを図りたい。
一方、警備当局としては、できるだけ危険は避けたい。
両者の方向性は、異なる。
イベント当日の現場では、危険なことが無いように、どの程度でファンサービスを切り上げるか、観客をどう誘導するかなどの判断をしてきた。数千人~数万人のイベントになると、客層によって、ぜんぜん変わってくるので、現場での判断が重要だ。事前には、最悪のケースを想定して準備して、当日には状況を見ながら行けるところまでやる。逆になってしまうのが最悪のパターン。
今回は警備当局の立場になって、武道館公演の警備状況を見た。
警備としては、失格。
もともと、九段下駅の武道館に近い出口は、将棋倒し事故の危険がある場所だ。
1万人を一時に移動させるためには、あまりにも動線が貧弱。
次の画像はgooglemapから加工した。武道館に最寄りの地下鉄出口だ。(この位置のgooglemapへ)
↓
画像はクリックすると大きくできる。
画像左にある青い矢印が、武道館方面。青い矢印の軸の幅が歩行者が通行可能部分。
水色の上下の矢印は、歩行者通行可能部分を、紫色の上下の矢印に挟まれた部分は、街路樹。けっこうな幅でさつきが植えてあるので、人は歩行できない。
画面右にある赤い矢印が地下鉄の出口。
ピンク色の部分が、将棋倒し事故の危険個所だ。
この部分をgooglemapを使って、車道から見てみよう。
↓
赤い矢印は私が入れた。ここが、最も危険なボトルネック。
赤い矢印が指し示すのは、竹垣だ。
さつきの植え込みに人が立ち入らないようにするためだろう。
どうやら、東京都は、人命よりも、植え込みを尊重するらしい。
この歩道は、地図上では幅があるんだが、その多くが街路樹で占められており、1万人が一時に集中する場所にしては、あまりにも貧弱な動線だ。
武道館から、地下鉄の出入り口には、この1本しか動線がない。(他は、歩道橋を渡る必要があったり、清水門経由になったり、遠回りになる。)
将棋倒しの事故で死者が出たとしても、想定外では済まされないんだよ。
武道館で1万人規模の公演なんて、毎週のように行われるんだから。(中にはガラガラもあるが…)
道路は都道だし、地下鉄も都営なのに、こんな将棋倒しの事故の危険がある場所を放置してあるのは、行政の怠慢だ。民間の土地だったりすると、権利関係が難しくて、すぐに改善できないこともある。
だが、どっちも東京都なのに、なんでできないの?
小池都知事さん、こんな将棋倒しの危険性があったなんて、ご存知?ご存知?ご存知?
せめて、街路樹の面積を大幅に減らして、歩行者の通行可能部分を歩道の幅いっぱいに広げることができれば、まだ、将棋倒しの危険は避けられる。このぐらいなら、予算なくても、できるだろ。
それでもできないんだよね。
日本の行政は墓石行政。
将棋倒しで死者が出るまでは、何もしないだろう。人身御供が必要なんだよ。
ましてや、街路樹なんて造園業者の利権だから、減らすことは簡単ではない。
一方、コンサートの主催者側でも、事故を防ぐためにできることはあった。
それは、開演待ちの列を迂回させることだ。
次の地図を見て欲しい。(この地図のgooglemapへ)
↓
当初は、運営側は、赤い矢印の西ゲートから、アリーナと1Fスタンドの観客を、紫色の矢印の南西ゲートから、2Fスタンドの観客を入場させるつもりでいた。7千人とか9千人で、雨が降っていなければ、それでもいい。
前日と前々日は、雨が降っていなかったこともあり、それで大丈夫だった。
ところが、リトグリのコンサート当日は雨だった。しかも1万3千人。
1万3千人なので、道幅いっぱいに人が広がっても、西ゲートから九段下の駅まで、埋め尽くしてしまった。
九段下駅の出口付近でも人があふれ、上りエスカレーターの出口で、危うく将棋倒しの事故が起こるところだった。
で、ここは、推測なんだが、この直前に、警察に通報があって、警察から主催者側に指導があったのだろう。
すでに開場していたんだが、急遽、待機列を迂回させることになった。とはいえ、武道館敷地と歩道との間にある柵を占めて、公園側に迂回してくださいって言うだけだった。
続いて、アリーナと1Fの観客入り口にしていた西ゲートを閉鎖して、その観客は南ゲートから入れることになった。
今回の武道館は、前日の7千人、前々日の9千人よりも、はるかに多い1万3千人なんだから、開場待ちの待機列は、地図の茶色のラインのように、最初から迂回させるべきだった。しかも、チケットを手に入れることが出来なかったファンも多いので、グッズ参戦も多い。その点でも、前日や前々日とは、大きく様相が変わった。
あらためて地図を見て欲しい。迂回ラインを茶色で示した。この茶色のラインは、田安門方面の方に車道まで道幅いっぱいに広がるわけにはいかない。北の丸第三駐車場への車両の通り道になるからだ。そのため、歩道上に並ぶ必要がある。吉田茂像のあたりで折り返して、武道館までは公園内の遊歩道なので、道幅いっぱいで大丈夫だ。それでも2列ぐらいかな。あらかじめ、これだけ入場待機列を迂回させておけば、九段下駅の出口で将棋倒しの事故の危険性は低かっただろう。途中からでは、ハンドマイクで誘導しても、混乱するだけだ。最初から迂回させて入場待機させる必要がある。
今回は、主催者の見通しが甘かった。
ついでに言っておくと、九段下から武道館まで狭い歩道にもかかわらず、中華まんの路上販売を許したのは、所轄警察署の失態。許可していたら、署内の失態だし、無許可営業を見逃していたら、九段下交番の失態。九段下交番から、目と鼻の先だ。っていうか、交番の前から見えるだろ。
帰路 九段下駅入り口付近にボトルネックで大渋滞
帰りの道も、1万3千人が移動するのは大変だね。九段下駅の入り口がボトルネックになって、全然進まない。また将棋倒しの事故の危険がある。それにしても、将棋倒しの危険性があるところに、わざわざ街路樹でボトルネックを作ったのはなぜ?
東京都は、人命よりも街路樹を尊重するのか?
改善策を二つ上げよう。
A、地下鉄入り口を新設
B、歩道橋を新設
両方とも同じ画像で解説する。この画像のgooglemapへ
↓
A案 オレンジの丸しるしに地下鉄入り口を新設する。
歩道側に向けて1か所、田安門に向けて2か所の入り口を作ればなんとかなるだろう。
B案 紫色の太線に歩道橋を新設する。
現在の歩道橋は、青く囲んだ。
この歩道橋は、人間の心理を無視している。この歩道橋の位置では、武道館から靖国神社に用がある人しか利用しない。
現在の歩道橋では、武道館から九段下の駅に行こうとした場合、歩道橋を渡った後、さらに信号機のある横断歩道を渡る必要がある。歩道橋渡った後、なんで、信号待ちをさせるかな? そんな回り道をする気になる人は少ない。
歩道橋を渡って降りたところで、信号を待たせるなんて、設計ミス。歩道橋を渡ったら、この信号のある横断歩道も迂回できるようにすればいい。そうすれば、そのまま九段下の駅に行ける。
この日、私は歩道橋を渡って靖国神社側に渡り、信号待ちをして、横断歩道を渡って、北の丸スクエアの近くの入り口から地下鉄に入った。遠回りだったが、まだ武道館からの人波は渋滞していた。でも、地下はガラガラ。やはりボトルネックは地下鉄入り口とそれに至る歩道。
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