復興支援音楽祭のトークについて

まずは、結論から、
質問に対してはストレートに簡潔に答える。結論から先に言う。
これがベスト。

善意の質問に対しては、ストレートに答えるのが最も印象が良い。

国会質疑や記者会見など、必ずしも善意ではない質問に対しては、はぐらかしたり全く別の対処方法があるが、それはまた別の記事で解説する。というかこのブログじゃなく別のブログで。

リトグリのメンバーの質問に対する答えは、まるで国会答弁のよう。答えをはぐらかしたり、答えになっていなかったりで、好印象を残さない。


リトグリは、単独コンサートのMCとかは、面白い。
まあ、ホームグラウンドだからね。

だが、アウェイな環境で、第三者を含めて、かしこまったやりとりが必要な場面となると、途端に崩壊する。
では、具体的にケーススタディしていこう。

ケース1
スクリーンショット (1421)
(タイムコードがなくなってしまった。動画開始15分ぐらい。)


MC 「残念ながら去年は状況が状況でしたから、コンサート(復興支援音楽祭)が
中止となってしまいましたけれども、あらためてあの時、どんな気持ちだったんでしょうか?」

かれん「そうですね。でもほんとうにやっぱりコロナ禍で、やっぱ抗えないものはあるとわかっていつつも、凄く残念な気持ちではあったんですけど、去年は実際に現地にも行けて、学生のみんなと交流ができたので、みなさんの頑張りを見れて、それはすごくうれしかったです。」

長い。
センテンスが長すぎる。余計な修飾語も多い。
結果として、何を言いたいのかわからない文章になっている。

改善するとこうなる。
 ↓
「コロナ禍で抗えないものはあるとわかっていつつも、すごく残念な気持ちでした。
ただ、去年は実際に現地にも行けて、学生のみんなと交流ができ、みなさんの頑張りをみれて、それはすごくうれしかったです。」

まあ、「気持ち」を問われた場合には、それほど難しくない。
テクニックとしては、最初のセンテンスで、「○○な気持ちでした。」と気持ちで答えていること。
これにより、質問者と視聴者には、質問に対して、真摯に答えてくれたという印象を与えることができる。
最初に結論を述べて、後から補足していけば、補足部分が何を言いたいのかわからなくても、全体としては理解されやすい。




ケース2
スクリーンショット (1424)
(タイムコードで言うと、動画開始48分ぐらい。)


MC 「その音楽の力を感じながら、近況としては、どんな活動がメインとなってらっしゃるのでしょうか?」

manaka 「はい、いまアリーナツアーをやっていまして、6月からはホールツアーも始まるので、またたくさんの方に、ひとりでも多くの方に会えたらいいなという気持ちでやってます。」

答えになってない。
問いとしては、「どんな活動がメインとなってらっしゃるのでしょうか?」だ。

はぐらかしたように聴こえるので印象が悪くなる。


また、MCは、もう一つ前の質問で、こう言っていた。
MC 「(リトグリは)日本武道館や海外でもライブをされています。しかし、残念ながら新型コロナの影響で思うようなライブ活動などが出来ない部分もあると思うんですね。」

そうすると文脈から言えば、コロナ禍でどういう活動をしていたか、を話した後、直近の話をした方が良い。

改善するとこうなる。
  ↓
「コロナ禍では、ライブが出来なかったので、リモートで収録したライブ動画をyoutubeにアップしたり、オンラインでライブをしたりしていました。
直近では、感染対策を万全にした上で、アリーナツアーをしています。」


ケース3

スクリーンショット (1425)


高校生 「今回?開催された場所が福島?ということもあって、今回リモートで撮影されたと思うんですけど、福島に来たら行ってみたい場所ってどこかありますか?」

MAYU 「そうですね。でも、福島県はけっこうライブでね、あの普段は、おじゃまさせていただいてだんですけど、去年ねVTRにもあったんですけど、取材で石巻市に行かせていただいたり、陸前高田にも以前行かせていただいたり、郡山にもよくライブで行かせていただいたり、けっこう勝手になんですが、ご縁のある場所なので、え、でもそうだな、やっぱりいまね、名前挙げたとこも、また行きたいなと思いますし、調べてたらスキー場が多い印象があったので、スキーしたことないので、スキーするなら福島に行こうかなって思います。」

長い。センテンスが長すぎる。

石巻市は宮城県、陸前高田市は岩手県だ。
これらを例に挙げて、福島と「縁」があるとするのは、縁がないと言ってるようなものだ。
地名を挙げるなら、それが何県にあるかぐらいは、最低限確認しといた方が良い。

また、「スキーしたことないので、スキーするなら福島」って、来る気ないのか?って思われても当然だ。
スキーが大好きで、裏磐梯の雪質が良いと聞くので、滑りに来たいと思いますっていうなら、わかる。

まだしたこともないスキーを例に挙げて、来たいというのは、印象が良くない。

改善するとこうなる。
 ↓
「郡山に行きたいです。以前に郡山でライブしたときに、クリームボックスを食べて美味しかったので、また食べに行きたいです。」

あるいは、「桃狩りとか、フルーツ狩りが好きなので、桃狩りのできる場所に行きたいです。」


ケース4

今度は、良い例も挙げておこう。

スクリーンショット (1426)


高校生 「自分は、リトグリのハーモニーって曲が一番好きなんですけれども、リトグリの皆さんが、一番好きな自分たちの歌を教えてください。」


かれん「今年の1月にアルバムが出たんですけど、その中で言ったらWavesっていうかっこいい曲が、私かれんはすごく好きです。」

これは、良い例に入る。

問いにいちおう答えてる。そんなに冗長ではない。

だが、改善点はある。

「その中で言ったら」、勝手に条件を改変してしまっている。
余計な一言だ。

改善するとこうなる。
 ↓
「Wavesです。今年の1月に発売されたアルバムの中に入っています。かっこいい曲です。」




ケース5

スクリーンショット (1427)


高校生 「リトグリさんはすごくたくさんの曲を歌ってらっしゃって、私の周りでも、落ち込んだ時には、リトグリさんの曲を聴いて、モチベーションを上げたり、気分を上げたりって子が凄く多いんですが、曲を発信してらっしゃるリトグリさんは、どのような曲を聴かれるのか、凄く知りたいです。」

アサヒ 「きっとみんなそれぞれ好きな曲とか元気な曲とか聴いてると思うんですけど、私自身もすごく歌っていて、リトグリの歌詞が落ち込んでる時に刺さってきたり、したりします。」

答えてない。

改善するとこうなる。
 ↓
「リトグリメンバ-は、曲の好みがバラバラで、聴いてる曲がぜんぜん違います。私は、近頃では『足跡』です。歌詞が落ち込んでる時に刺さってきます。」

質問は、リトグリが主語の問いなので、まずはメンバーそれぞれだという点を話し、その上で自分はどうかを答えると良い。そうすると、印象が良くなる。



ケーススタディは以上。



リトグリスタッフは、事前に想定問答集を作るとかさ、出演後に添削をするとかさ、メンバーのトークを磨くようにした方が良い。

WEスクールあるんだから、このぐらいのトーク術をトレーニングできる先生いるでしょ?






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